カタンの2人用ルールを解説する。カタンは3〜4人で遊ぶのが基本だが、作者クラウス・トイバー氏による公式の2人用ルールが存在する。中立プレイヤー・収穫2倍・交易チップという3つの仕組みが追加され、2人でも通常に近い駆け引きが楽しめる内容になっている。
この記事で分かること
- 2人用ルールで追加される3つの仕組み
- 中立プレイヤーの建設ルール
- 交易チップの獲得方法と使い方
- 間違えやすいタイミングのルール
カタンの2人用ルールとは
カタンは3〜4人で遊ぶのがベストとされているが、プレイヤーが2人しかいない場合の選択肢として、作者クラウス・トイバー氏による2人用ルールが用意されている。日本語版は株式会社ジーピーが公開しており、このルールは『カタン 商人と蛮族版』にも収録されている。
基本的には3〜4人のルールがそのまま適用され、変更点だけが追加される形だ。勝利条件(10勝利点)や建設コスト、発展カードの効果などは通常と同じである。
追加される3つの仕組み
| 仕組み | 内容 |
|---|---|
| 中立プレイヤー | 2人分の架空のプレイヤーが盤面に存在する |
| 収穫2倍 | 自分の番にダイスを2回続けて振る |
| 交易チップ | 交渉の代わりに使う専用のチップ |
2人では通常の交渉が成立しにくいため、交易チップがその代わりを果たす。また、2人だと盤面が広く感じられるところを、中立プレイヤーが埋めていく設計になっている。
パギゴン2人用に無理やり落とし込んだルールじゃなくて、別ゲームとして成立してるバランスなんだよね。人数が集まらないときの選択肢として覚えておくといいかも。
必要なもの
- カタン スタンダード版:通常のセットをそのまま使う
- プレイヤー2人
- 交易チップ20枚:専用のコンポーネントはないため、おはじき・コイン・ゲームチップなど家にあるもので代用する
交易チップは何を使ってもよい。使わない色の道コマを流用する方法もある。
ゲームの準備
盤面のセットアップは通常のルールと同じだ。そのうえで、以下の準備を追加する。
中立プレイヤーを2人分用意する
2人が使わない色のコマ2セットを、想像上の中立プレイヤー2人のものとみなす。コマ自体は盤外に置いておき、必要になったときに盤面へ出していく。
交易チップを配る
交易チップ20枚のうち、2人がそれぞれ5枚ずつ持ってスタートする。残りは共通のストックとして脇に置く。
最初のコマを置く
中立プレイヤーの開拓地を置く
2人の中立プレイヤーの開拓地を1つずつ、公式ルールで指定された2カ所の交差点に置く。街道は置かない。
プレイヤーが初期配置をおこなう
2人のプレイヤーが通常のルールに従って、開拓地と街道を2組ずつ配置する。
この時点で盤面には、プレイヤー2人の開拓地と街道が2組ずつ、中立プレイヤーの開拓地が1つずつ置かれた状態になる。
初期配置でも交易チップがもらえる
後述する交易チップの獲得条件(砂漠や海に面した開拓地の建設)は、初期配置の段階から適用される。最初のコマを置く場所を決める際にも意識しておきたい。
収穫2倍:ダイスを2回振る
自分の番には、ダイス2個を続けて2回振る。それぞれのダイスロールごとに資源が産出され、7が出た場合は盗賊の処理をおこなう。
ただし、1回目と2回目で合計値が同じになってはいけない。同じ数字が出た場合は、別の数字になるまで何度でも振り直す。
手番が2回になるわけではない
誤解しやすいのがこの点だ。ダイスを2回振っても、手番自体は1回である。相手からダイスを受け取り、再び相手に渡すまでが1手番だ。
そのため、1回目のダイスを振ってから建設や交渉をおこない、その後に2回目を振るということはできない。まずダイスを2回振り切ってから、建設・資源の交換・発展カードの使用といったアクションに移る。
バーストの扱い
7が出た場合は通常どおりバーストが発生する。手札が8枚以上あれば半分(端数切り捨て)を捨てる。
- 1回目のダイスロールで7が出た場合、2回目は合計値が異なる必要があるため2回目に7は出ない。同じ手番で2回バーストすることはない
- 1回目で大量に資源を得て8枚以上になっても、2回目を振る前に手札を減らして予防することはできない
ゲームが進んで一度に多くの資源が産出される状況になると、この仕様が効いてくる。バーストのルールについては盗賊の記事で詳しく解説している。





ダイスを2回振る分、資源がガンガン入ってくるんだよね。その分バーストしやすくなるから、手札の管理は通常より気をつけたいところかな。
中立プレイヤーの建設ルール
2人用ルールの核となる仕組みだ。プレイヤーが建設をおこなうと、それに連動して中立プレイヤーも建設をおこなう。
連動する建設・しない建設
| プレイヤーの行動 | 中立プレイヤーの建設 |
|---|---|
| 街道を1本建設 | 好きな方の中立プレイヤーの街道を1本(無料) |
| 開拓地を1つ建設 | 好きな方の中立プレイヤーの開拓地を1つ(無料) |
| 街道建設カードを使用 | 好きな方の中立プレイヤーの街道を2本(無料) |
| 都市化 | 何も起こらない |
| 発展カードの購入 | 何も起こらない |
どちらの中立プレイヤーを動かすかは、建設したプレイヤーが選べる。この選択が2人用ルールの戦略性を大きく左右する。
開拓地が建てられない場合は街道になる
どちらの中立プレイヤーも開拓地を建設できない場合、つまり距離ルールを満たす交差点が存在しない場合は、代わりに街道を建設する。
中立プレイヤーは資源を得ないが最長交易路は取る
中立プレイヤーの開拓地から資源が産出されることはない。数字が出ても何も起こらないため、資源面での脅威にはならない。
ただし、中立プレイヤーが最長交易路(道賞・ロンゲスト)を取ることはある。街道が伸び続けるため、気づけば中立プレイヤーが道賞を保持しているという状況が起こりうる。
一方、中立プレイヤーは騎士カードを使わないため、最大騎士力(騎士賞・ラージェスト)を取ることはない。
中立プレイヤーは妨害の手段になる
相手が道賞を狙っている場面で、中立プレイヤーの街道を伸ばして道賞を奪わせるという動きができる。中立プレイヤーが道賞を持てば、相手には渡らない。どちらの中立プレイヤーをどこへ伸ばすかが、2人用ルールにおける駆け引きの中心になる。
交易チップの使い方
2人では通常の交渉が成立しにくい。その代わりとなるのが交易チップだ。
2種類のアクション
自分の番につき1回だけ、交易チップを使って以下のどちらかを実行できる。使ったチップはストックに戻す。
- 強制交換:相手の資源カードから2枚を引き、代わりに自分の好きな2枚を渡す。相手の資源カードが1枚しかない場合は、その1枚を引いて好きな2枚を渡す
- 盗賊移動:盗賊を砂漠に戻す
強制交換は相手の同意を必要としない。ただし引く2枚は選べないため、必ずしも欲しい資源が手に入るとは限らない。
消費する枚数は点差で変わる
| 自分の状況 | 必要な交易チップ |
|---|---|
| 相手と同点、または相手より少ない | 1枚 |
| 相手より勝利点が多い | 2枚 |
これは「2枚払えば2回行動できる」という意味ではない。リードしているプレイヤーは、同じ1回のアクションに2倍のコストを払わなければならないということだ。
通常のカタンでは、リードしているプレイヤーは交渉で不利になる。その力学を2人用ルールで再現するための調整といえる。
使えるタイミングに注意
- 盗賊移動:騎士カードと同様に、1回目のダイスロールの前でも使用できる
- 強制交換:2回目のダイスロールを終えた後にのみ使用できる
- 同じ手番ですでに盗賊移動を使っている場合、強制交換はできない(アクションは1手番に1回のため)



盗賊移動だけダイスの前に使えるのがポイントだよ。自分のタイルに盗賊がいるなら、砂漠に戻してから振った方が資源をもらえるよね。
交易チップの獲得方法
初期の5枚を使い切っても、以下の方法で補充できる。
| 条件 | 獲得枚数 |
|---|---|
| 砂漠に面して開拓地を建設 | 2枚 |
| 海に面して開拓地を建設 | 1枚 |
| 砂漠にも海にも面する場所に開拓地を建設 | 3枚 |
| 出している騎士カードを1枚捨てる(1手番に1回) | 2枚 |
開拓地の建設による獲得は、初期配置でコマを置くときにも適用される。
騎士を捨てると最大騎士力を失う可能性がある
すでに使用した騎士カードを捨てることでチップを補充できるが、その分だけ騎士の枚数が減る。
最大騎士力(騎士賞)を持っているプレイヤーが騎士を捨てると、枚数が2枚になったり相手と同数になったりして、騎士賞を失う場合がある。その後は相手より多く騎士を出したプレイヤーが騎士賞を取る(3枚以上が条件)。
逆に言えば、騎士賞の獲得が難しい状況であれば、騎士を捨ててチップに変えるという選択も有効になる。
プレイ前に決めておきたいこと
公式ルールでは明示されていない、判断が分かれるポイントがいくつかある。開始前に取り決めておくと進行がスムーズになる。
中立プレイヤーの開拓地は必ず建てるか
中立プレイヤーの街道は自分でも伸ばせるため、ゲームが進むと「自分が狙っていた場所に、自分の手で中立プレイヤーの開拓地を建てなければならない」という状況が起こりうる。
対戦として楽しむなら、条件が整っている限り必ず建てるとした方が、相手の建設先を潰す戦略が成立して面白くなる。のんびり楽しみたい場合は柔軟に判断してもよい。
盗賊を砂漠に戻したときの資源はどうするか
交易チップで盗賊を砂漠に戻す機会は多い。このとき、砂漠に隣接する開拓地・都市があるプレイヤーから資源を1枚奪えるかどうかが問題になる。
通常のルールでは盗賊を砂漠に置く場面がほとんどないため、2人用ルールでは事情が異なる。開始前にどう扱うかを決めておきたい。
中立プレイヤーの初期位置を調整したい場合
中立プレイヤーの開拓地は指定された交差点に置くが、強い数字の隣に置きたくない場合は、盤面を作る段階で砂漠を中央に配置するという方法がある。
他の拡張との組み合わせ
2人用ルールは、最大騎士力(騎士賞)が存在する拡張やシナリオであれば、追加のルール変更なしで組み合わせられる。『航海者版』などとも併用が可能だ。
よくある質問
まとめ
- 2人用ルールは公式のバリアント。基本ルールはそのままに、中立プレイヤー・収穫2倍・交易チップの3つが追加される
- 中立プレイヤーはプレイヤーの建設に連動して建設する。資源は得ないが最長交易路は取る
- ダイスは1手番に2回振る。合計値が同じ場合は振り直し。手番自体は1回のまま
- 交易チップは1手番に1回。強制交換か盗賊移動のどちらかを実行できる
- リードしているプレイヤーは、同じアクションに2倍のチップを払う必要がある
- 砂漠や海に面した開拓地の建設、騎士カードを捨てることでチップを補充できる
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